空想&妄想小説~妄想デート・スキー編(後編)~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

時計の針は5:40を示していた。
さすがに冬山は冷える…。
動かないでいるから、
なおさらだな。
よし!
雪だるまを作ろう~!

あんなに青かった空も、
こんな時間になると、もう真っ黒だ…
所々、星もキラキラと見えている。
星座の名前は全く知らないが、
きっと有名な星なんだろうな…
などと考えながら雪だるまを作っていると、

どこかで鐘を鳴らすの音と同時に
軽快な音楽♪が流れてきた…。
なんだろう??とゲレンデを見ると
松明を持ったスキーヤーが大きな円を描きながら
滑ってくるではないか…
7色にライトアップされたゲレンデは
なかなかロマンチックな光景だ!
こういう瞬間に彼女が居ないのが
なんとも残念だ…

というか、
僕がスキーが上手ならば
一緒に上まで行って、シュプールを描き
笑顔で「たのしいね!」って言えるんだろうけれど…
それでそれで、
「ほら見てごらん、あの燃える火は、僕達だけのものだね!今日の君はステキだよ…」
な~んちゃって、ムード満点なんだろうけれど、
あ~あ、僕には雪だるまがお似合いさ!
いいんだいいんだ…、ぐすん。

『ステキな雪だるまができたのね…』

おお!彼女の声だ!

『遅くなっちゃってゴメンネ…一番上まで行ったものだから…』

ああ~いいさいいさ、初心者の僕を指導していたから、そのストレスを発散してきたんだろうし、
まあ~そのくらいは許してやるつもりだけれど、寂しかったのは事実だ!このやろ~。
しかし、僕は大人さ!

「ううん、全然平気!雪だるま作ってたからさ…」

そこへようやくみんなが帰ってきた。

「もう6:43だよ。早くコテージに帰ろうぜ!」

そういって、ゲレンデを後にする僕達でした…。

コテージについた僕達はさっそく着替えて、
お風呂へ…

スキーの汗と疲れを流し、
いよいよ食事タイム!

ホテルから届けられたディナーをテーブルに並べ
シャンパンを開けて…
「メリークリスマス!」

テイクアウトのメニューとは思えないほどの内容の食事と、
疲れた体に沁みるバドワイザー…
クリスマスツリーの電飾もいい感じ。
大森君のギターもいい音を出していた。

大森君は今年の夏に一緒に海に行った友人だ!
ななこちゃんという彼女ができて、
この半年は楽しかったに違いない。
目じりが下がりっぱなしだ!!
ギターが奏でる曲は
すべてLOVEソング…
きっと、ななこちゃんに贈っているのだろう~

横に座っている僕の彼女は
なぜか、さっきから黙ったままだ…。
ふと理由を考えてみると、
リフトの事件もあったし、
なかなか上達しない生徒であったぼくだからであろうか??

「どうした?飲まないのかい??」

『怒ってるかな…と思って・・』

「だれが?僕が??なんで???」

『だって…今日私あなたを怒っちゃったし、
キツイ言葉をビシビシ言っちゃったし、
あなたを置いて、上級者コース行ったし、
遅くまで、一人にさせたし…』

「何にも思ってないよ…そりゃ一人で居た時はちょっと寂しかったけれど、
君が楽しくなきゃ、僕も楽しくないからね!全然気にしてないさ…

『ありがとう・・』

「それより僕のほうこそ、恥ずかしい思いをさせて悪かったね。リフト初めてだったからさ…」

確かにあれは、恥ずかしかったわよ!クスッ!でも、誰にも言ってないからね…』

(見つめ合う、2人・・)

「おい!そこ!!イチャイチャしない!」
お酒に酔った静香さんが僕らを指差した。

拓哉君と静香さんは酒豪だ!
もうすでに2人とも缶ビールは7本は飲んでいるし、
その前にワインを4本空けている…
昼間もハンバーガーとビール3本ずつを飲んでいたし…
きっとスキーの途中も…
でもそれが悪いかといえばそうじゃない。
まあ~僕らも似たようなものかな??

福山君とアスカさんは相変わらず仲がいい…。
缶ビールも、半分ずつグラスに空けて飲んでいるし、
料理も、「あ~ん」とか言って、食べさせあっているし、
見ている僕らのほうが恥ずかしいくらいだ。

大森君達は半年前に知り合ったとはいえ、
もう、誰が見ても完璧なカップルだ!
新鮮さを失わない、微笑ましい雰囲気で、
見ているものに、嫌な気をさせないのがいいね!
個性的な彼に、ぴったりな、かわいい彼女は
このコテージに色を添えていた…。

拓哉と静香は何がおかしいのか
ゲラゲラ笑いながら、また「ぷしゅっ」と缶ビールを開けていた。
もう、10本目か・・・?!

2時間くらいパーティーをして、
とりあえず片付け…

福山君達は相変わらず早めに個室へ…。
卓也君達はイスにもたれたまま、グーグーグー。

僕達と、大森君達は一緒に近くのホテルにある
有名なショットバーに行く事にした。
大森君持参のお酒もいっぱいあるのだが、
ここのショットバーもぜひ行って見たい…という事になったのだ。
福山君や拓哉君達も誘ったのだが、
彼らは眠いという事だったので、
僕らだけで行く事になった・・・

星空の下をテクテクと歩く事5分。
ホテルのラウンジに着いた。

さすがにハイシーズンだけあって
ラウンジも賑わっていた。
僕達と大森君達は別々に座り、
思い思いの時間を過ごす事にした…。

大森君達はカウンターに座り、
難しいカクテルをオーダーしているようだった。
ドライマティーニを辛口に仕上げたものが好みのようだ…。
ななこちゃんは
カット・オレンジがついた、ジュースかな??

僕らはというと
思い出のダイキリとカルーアミルクをオーダーし、
スキー場を眺める事が出来る、
窓際のカウンターに席を取り、
2人の時間を楽しむことにした…

今日は彼女に特別な話をしたかったのだ。
そう特別な話を・・・。

実は彼女のお父様から、

「そろそろ、終わりにしてもらえないか…」
と、言われているのだ…。

終わりにしろって言われても、
そんなのはイヤだ!!
なんで、また、どうしてさ???
と聞きたかったが、
その場は何も言わず帰ってきたのだ…

その辺の話を彼女としたいのだが、
どこから言い出していいものか、
迷っていた時、

『何か言いたそうな感じだね!』と彼女が口を開いた…。

「いや、別に…うん、いや、実は…」

『なに?何でも言って…』

「うん…」

そこで彼女に、先日のお父様の話をした…

彼女は顔色を変えず、黙ったままだった。
僕も、また黙り込むしか術がなかった…。

『あなたはどう思ってるの?』

「えっ?あ、いや…」

『あなたは、どう思ってるのかって聞いてるのっ!』

「・・・一緒に、居たい。」

『本当に?』

「うん、本当に一緒がいいと思ってる。君じゃなきゃダメなんだもん…」

『それなら決まり!そんな私の父の話は無かった事にして!』

「・・・・ そう言うのなら、そうするよ。聞かなかったことにするよ。」

『後は私に任せて!』

もっと、ドロドロした話になると思っていたのだが
案外、さっぱりした感じの話だったなあ~。
まあ~良いかっ。
僕と彼女の間には、
壁もないし
何も迷わず思いのまま
まっすぐ行けるって言う事だし、
それが今、お互いに確認できたわけだから
他には何もいらないし…

なんだか、嬉しかった。

しかし、
今日の彼女はいつもと違って
しっかりしているなあ~。
スキーもあんなに上手いし、
お話もバシッとしてるし
ああああ~
今回の僕は
彼女にいい所を一つも見せられない~~~
でも、そんな事はどうでもいいのだ・・。
僕はこの、「僕の彼女だけ」には
そういった背伸びみたいな事は
したくないし、
自然体で居たいからね…。

カクテルを2杯飲み干したところに、
大森君が
「僕たちこれで引き上げますが…」
と言って来た。

僕らもすぐに後を追うことにしたが
もう少し、彼女と一緒に居たかったので、
ちょっと遠回りしてコテージに向かう事にした。

外にある、
ホテルの教会がクリスマスイルミネーションで輝いていた…
<愛の鐘>に紐がついていたので
2人で引っ張った。
静かな夜に、綺麗な音が響いた…
「カラ~ン・カラ~ン…♪」
想像より大きな音にちょっとビックリし、戸惑ったけれど
2人の擬似結婚式は、終了。
僕は優しくキスをした…。

外はすごく寒くて
体がガタガタするくらいの気温であったけれど
彼女と共に過す時間が
こんなに楽しくてあったかいと感じたことは
僕達2人の共通点だろうと思う…。
星空も輝いていた。
僕らを祝福するように…。

コテージに戻ると、
福山君や拓哉君達が外で花火をしていた。
冬の花火はまた綺麗なのだ・・。

「お~い!早く来い!お前達いつも遅いぞ~!」

僕と彼女は手を繋いだまま
みんなの元に走った…。

ドラゴンの花火が
僕らを呼んでいるようだった。

その時、彼女の手を絶対離したくなかった僕だった…

今、離したら2度とそのぬくもりを感じられないのではないかという不安が
僕の中で起きていたのだ…

PM11:00
またまた大森君のバーがOPENした。
今回は大森君手作りのバーカウンター付だ!

みんなでカクテルを数杯楽しみ、
お酒と雰囲気に酔って
いろいろおしゃべりを楽しんだ…
もう明日のことなんか、どうでもいいくらい
飲んで、盛り上がり、
笑い続けた…

「そういえばみんな知ってるか?」 と福山君…

「今日、初心者のゲレンデでリフトから降りれなかった奴がいたらしいぜ!」

『うっそ~だって、あそこって、子供でも降りれるくらい低いよ~』

「それが、そういう人がいたって、さっきリフト係りのおじさんが言ってたぜ!」

「それでさ、そいつがもう一度そこに戻ってきてさ
   降りた瞬間、周りで見ていた人たちが拍手したらしいぜ!」

『ある意味、凄い、エンターテイナーですなあ~(笑)』

「おいおい、まじかよ~あははははははは~~~」

この場でどうして良いのか解らない、僕でした…。(赤面)

突然

『そういう人だって居るのよ!決して恥ずかしい事じゃないわ!』

と僕の彼女が…

さらに

『みんな、笑う事ないじゃない…MAKOTO君だって頑張ってやったのに…!

(一同、目が ・ ・ ・ ・ 。)

<おいおい、言うなよ…誰も、この僕だってことは知らなかったのに…>

「飲っ飲め飲めっ!そういう奴が居てこそ、楽しい世の中だ!」と、拓哉君。

僕は下を向いたまま、チビチビぺろぺろカクテルを飲むのであった…

しかし、

彼女は自分が僕の名前を言った事に、気付いていない…。

夜は楽しく更けて行った…。

終わり