空想&妄想小説~妄想デート・キャンプ編~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

♪りりり~ん(電話の音) 「ガチャ」

「今週末…土曜日と日曜日の二日間なんだけれど空いてる?」
『う~ん…土曜日はお友達と買い物の約束をしてるから、
5時以降なら良いけれど…』
「・・・OK!5時ネ。」
『ちょっと待って!何?いったい何処行くの??』
「仲間でキャンプに行くんだよ!一緒に行こうと思ってさ!」
『キャンプって…泊まりってことでしょ、どうしようかな…』
「隣町のコテージを借りれたんだよ。綺麗だし、近くて良いでしょ!
お風呂もきちんと在るよ!雨が降っても、楽しめるしさあ~!」
『メンバーは誰?私の知ってる人???』
「え~っとねえ…知ってるかもね~みんな一応カップルだよ。
ミサトさんも入れれば合計8名。
以前、養老の滝で一緒に飲んだ人でさ、
ACE会社のボンボンで木村拓哉さんって居たじゃん!その人とその彼女。
工藤静香さんって言ったかな?
それと、
白木屋で遭った人でさ、
ブティックに勤めている福山雅治さんとその彼女の・・・う~ん名前は覚えてないや。
それから、バーテンダーやってる、大森さんって言う人、
いつもオイラが師匠って呼んでる人でさ、
イタリアンカフェのアバンティーの・・・
そうそう!その人!。
もう一人女性が来るらしいけれど、知らないんだよ。
静香さんがお友達を連れてくるらしいんだ。
これで僕達を入れれば8名だよ~」

『私が行っても良いのかな???』

「いいの・いいの!ねえ~~ねっ!行こうよ!」

・・・という事で、
土曜日の夕方からミサトさんは合流するという事で、
キャンプは決定した・・・・。

(当日夕方5:30ミサトさんから電話が入る。)

「いまここだけど、何処に行けば良いの??」
と、連絡があったので、僕はその場まで迎えに行った。
ちょうど、食事の準備をしていたところだったので、
グッドタイミングで合流する事が出来た。
「紹介しま~す。僕の彼女の<彩波 ミサト>さんです。」
『よろしくお願いしま~す』

人見知りで緊張しやすいミサトさんでしたが、
仲間の人達と以前会ったこともあり、時間が経つと意気投合し、
楽しそうに時間を過ごしていました。
おっちょこちょいの彼女はバーベキューの串を手に刺すというハプニングも在ったが、
無事にずべての準備が整い、乾杯に!
今回はバンガローのテラスで、バーベキューをして、
部屋に持ち込みワイングラス片手に食事をするというお洒落なキャンプ。
生ビールサーバーまで持ち込んで、
わいわいガヤガヤ…。

初めて今回来たという静香さんの友達は
<松島ななこ>という名前で、
小柄なかわいい感じの人だ。
22歳で僕らとほぼ同じ年齢で、
話は会うはずなのだが、
ちょっともの静かな人で、
イマイチ仲間に入れないというか
居場所が無い…ように思えた。
そこで、そんな雰囲気を察した僕とミサトさんは
うまく彼女をリードし、
その場を楽しくする事に成功!
さすがは、僕の彼女だ。
たとえ、おっちょこちょいでも
たとえ、車の運転が下手でも、
人との付き合いは上手なのだ!
そういうミサトさんがぼくは大好きなのだ!
反面、付き合いが上手すぎて、
いろんな男と飲みに行ったり、遊びに行ったりするのは、
大きく問題だが、
これはまた機会を見つけて、
彼女には はっきりと言うつもりだあ!

夏の暑さもあってか、
ビールも進む進む。
大森師匠がギターで歌うと、
また盛り上がって、みんなでハミング…
アルコールのせいもあってか
松島ななこさんも、おしゃべりになってきた。
大森さんも彼女のリクエスト曲に答えてあげて、
2人は急激に仲良くなってしまったようだ。

外に出て、みんなで花火をしようという事になり、
ロマンチックナイトに華を添える…。
飲みすぎて、人が変わった木村拓哉さんは
花火を持ったまま大声をあげて、そこらじゅうを走り回り、
相変わらずの渋い福山君は、陰に隠れるように彼女とコソコソいちゃいちゃ…。
大森師匠と松島ななこさんは仲良く一つの花火をしていた。
僕らはというと、
誰もが羨むように仲良く…なはずだったが、
飲みすぎた工藤静香さんが
「ミサトちゃん聞いてよ~」と
2人で切り株に座り、
ビールジョッキを持ったまま、
話し込んでいた…。
高山は焚き火に薪を入れながら
一人自分の世界に入り込んでいたのだった。
彼女は、ひょっとして、
ナルシストである高山を察して、というか、
焚き火に夢中になりすぎている僕ではつまらなかったので
静香さんと話をしていたのかもしれないが、
そこは、まあ、どうでもいいことにしょう…
僕はこういう、焚き火が大好きだから、
一人にしておいてくれるほうが嬉しいのだ。

花火が終わったので、
みんなでお風呂に行く事にした。
100メートルほど行くと、
大きな温泉施設があり、深夜まで入れるのだ!
今回は予約しておいたプライベートバスルームにみんなで入ることになっていたのだ。
露天のジャグジーっぽい感じのやつだ!
とりあえず恥ずかしいので
電気は消して、月明かりだけで入った。
バスタオル一枚の世界に照れながら、
みんな赤い顔をして。←(アルコールのせいかもね…)
ボディーラインがくっきりとして、もうドキドキ…
たぶんみんながそう思ったと思う。

アルコールと、温泉と、そういう意味でもドキドキで
心臓に良くないということで、お風呂から出る事になった。

コテージに戻り
予定していた二次会が始まった・・。
対面式キッチンカウンターの中では
アバンティのバーテンの師匠がカクテルを作り、
先程女性達が作ったカナッペをつまみに、飲もうという訳だ!
BGMに用意したカセットデッキからは
小粋なジャズが流れ、
ダウンライトにした部屋は
トワイライトなカフェバーさながらだ!
さすがはプロのバーテンダーが作るカクテルは、
美しい…
キャンプという設定上、
持ち込むお酒に限りがあるが
わずかな種類で、バラエティー豊かな
カクテルが出来上がるのはさすがだ!

その
カクテルシェーカーを振る師匠の前には
松島ななこさんが居て、
楽しそうにお話をしていた。
<テキーラサンライズ・ななこスペシャル>には赤面したが
不器用な師匠らしいアプローチの仕方だ!

中央のソファーには拓哉と静香がグラスを傾けていた。

「飲みすぎた…」という理由で
2階の個室ベッドルームに早々消えていった福山君達…

僕とミサトさんは師匠の作ったカクテルを片手に
テラスに出て星空を眺めながら、2人のおしゃべりを楽しんだ。
僕の右手と彼女の左手はグラスを持ち、
空いた片手はテラスの桟で重ねあった…
僕の持つグラスは、ブルームーン。
ブルーキュラソーの鮮やかな青色が、
夏の夜を高ぶらせる…
無言もまた、お互いの気持ちを思う演出なのか・・・

僕は、ミサトさんの前では飾れないのだ。
カッコもつけられない…
自然とか言うんじゃなくて、
何も出来なくなってしまうのだ…
気の効いた台詞や仕草も、
口説き文句も、彼女には出てこないんだ。
あの子やこの子やその子には、
ポンポンと出てくるような笑い話付きの三流の口説きセリフは
彼女を前には出てこない。
愛とか恋とか、好きになるとか、
言い方はいろいろあるけれど、
離れたくない…誰にも渡したくない…という気持ちが先行してしまい、
他の人のような楽しい時間を
彼女には、過ごさせてあげられないのだ…。

そう、心の中で思っていただけのはずだったが、
気がついたら、声に出していた・・・。
アルコールのせいか、雰囲気のせいか、
心の叫びだったのか、
明らかに彼女に聞こえる言葉で、そんな事を・・・。

それに対し、ミサトさんはしばらく黙ったままだったが、
何を思ったのか、彼女はニコニコして、
沢山の話をしてくれた…
こんなに話をしたことが無いというくらい、
濃い内容であったのだけれど、
ホンネで言って
笑顔で口が動き、お話をしていた彼女を見るのが
切なくなってしまった…

それは、
僕は彼女に「愛」というより
安らぎに近い物を感じている。
それが愛なのか、恋なのか、何なのかはわからないが
浮かれた話っていうよりも、
傷ついた夢を聞いて欲しいっていうのか、
他の人には言えないような内容…
特別な話をしたいというのか、
彼女には悪いけれど、
そんな欲深い考えをしているのだ。
もっと言うならば
小さなことからこんな事までっていうくらい
<彩波 ミサト>でなくてはいけないのだ!
そのくらい彼女のことが大切なのだが、
僕みたいな考え方のボーイフレンドを持つと
周りのカップルのような楽しみを味わう事が出来ないだろう…
などと、ウジウジ考えてしまうのであった。

はっ!っと気付くと、
彼女の顔が目の前にあった…
お互いの体温と存在が重ねあった手からではなく、
別の部分から感じる事が出来て、
なぜか、安心するのだった・・・。

そこへ、「お邪魔しま~す・・・」
師匠とななこさんがテラスに出てきた。
「一緒に、線香花火しませんか?」
それを聞いた僕達は
なぜか大笑い。
今までの重い雰囲気も、一瞬に過ぎ去った…。

テーブルにろうそくを立て、
4人で過ぎて行く夏を惜しむかのように、
飛び散る小さな光に目を細めた…
突然、
「来週なんですが、4人で一緒に海に行きませんか?」
ななこさんが言い出した。
いろいろ考えたが、とりあえず行こう!という事で
決定したのであった…。

時計を見たらもうAM2時だったので、
ベッドに入ることにした。
福山君達は2階の左の部屋だし、
右は拓哉さん達だし、
1階のベッドで師匠達が寝る事になった。
もちろん僕達も1階のベッドだったが、
個室じゃないから・・・
でも手を繋いだまま眠りに付いた僕と彼女でした…

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翌朝、スクランブルエッグを焼く匂いがして、
目が覚めた。
大森師匠と、ななこさんが仲良く朝食の準備をしていた。
朝日こぼれるログハウスに、
さわやかな空気がながれ、
二日酔いの体に沁みていくようだった…。
「ミサトさん、おはよう!」
耳元でささやくように起こしてあげた。
恥ずかしそうに起き上がる彼女を見て、
なんて可愛いんだろうと、胸キュンになってしまう僕であった・・・。

朝食を済ませ、
後片付けをして、グループ・キャンプデートは終了。
なぜか、卓也と静香はケンカっぽくなっていた。
昨日何が在ったんだろう???
福山君達はもう恥ずかしいくらい、ベタベタして帰って行った。
う~ん…なにがあったんだろう???

大森君と来週の海の予定を立てるために
僕らはその場に残った…。
そして、
海のデートに続くのであった…。

終わり

(海のデート編に続く・・)