空想&妄想小説~妄想デート・スキー編(後編)~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

時計の針は5:40を示していた。
さすがに冬山は冷える…。
動かないでいるから、
なおさらだな。
よし!
雪だるまを作ろう~!

あんなに青かった空も、
こんな時間になると、もう真っ黒だ…
所々、星もキラキラと見えている。
星座の名前は全く知らないが、
きっと有名な星なんだろうな…
などと考えながら雪だるまを作っていると、

どこかで鐘を鳴らすの音と同時に
軽快な音楽♪が流れてきた…。
なんだろう??とゲレンデを見ると
松明を持ったスキーヤーが大きな円を描きながら
滑ってくるではないか…
7色にライトアップされたゲレンデは
なかなかロマンチックな光景だ!
こういう瞬間に彼女が居ないのが
なんとも残念だ…

というか、
僕がスキーが上手ならば
一緒に上まで行って、シュプールを描き
笑顔で「たのしいね!」って言えるんだろうけれど…
それでそれで、
「ほら見てごらん、あの燃える火は、僕達だけのものだね!今日の君はステキだよ…」
な~んちゃって、ムード満点なんだろうけれど、
あ~あ、僕には雪だるまがお似合いさ!
いいんだいいんだ…、ぐすん。

『ステキな雪だるまができたのね…』

おお!彼女の声だ!

『遅くなっちゃってゴメンネ…一番上まで行ったものだから…』

ああ~いいさいいさ、初心者の僕を指導していたから、そのストレスを発散してきたんだろうし、
まあ~そのくらいは許してやるつもりだけれど、寂しかったのは事実だ!このやろ~。
しかし、僕は大人さ!

「ううん、全然平気!雪だるま作ってたからさ…」

そこへようやくみんなが帰ってきた。

「もう6:43だよ。早くコテージに帰ろうぜ!」

そういって、ゲレンデを後にする僕達でした…。

コテージについた僕達はさっそく着替えて、
お風呂へ…

スキーの汗と疲れを流し、
いよいよ食事タイム!

ホテルから届けられたディナーをテーブルに並べ
シャンパンを開けて…
「メリークリスマス!」

テイクアウトのメニューとは思えないほどの内容の食事と、
疲れた体に沁みるバドワイザー…
クリスマスツリーの電飾もいい感じ。
大森君のギターもいい音を出していた。

大森君は今年の夏に一緒に海に行った友人だ!
ななこちゃんという彼女ができて、
この半年は楽しかったに違いない。
目じりが下がりっぱなしだ!!
ギターが奏でる曲は
すべてLOVEソング…
きっと、ななこちゃんに贈っているのだろう~

横に座っている僕の彼女は
なぜか、さっきから黙ったままだ…。
ふと理由を考えてみると、
リフトの事件もあったし、
なかなか上達しない生徒であったぼくだからであろうか??

「どうした?飲まないのかい??」

『怒ってるかな…と思って・・』

「だれが?僕が??なんで???」

『だって…今日私あなたを怒っちゃったし、
キツイ言葉をビシビシ言っちゃったし、
あなたを置いて、上級者コース行ったし、
遅くまで、一人にさせたし…』

「何にも思ってないよ…そりゃ一人で居た時はちょっと寂しかったけれど、
君が楽しくなきゃ、僕も楽しくないからね!全然気にしてないさ…

『ありがとう・・』

「それより僕のほうこそ、恥ずかしい思いをさせて悪かったね。リフト初めてだったからさ…」

確かにあれは、恥ずかしかったわよ!クスッ!でも、誰にも言ってないからね…』

(見つめ合う、2人・・)

「おい!そこ!!イチャイチャしない!」
お酒に酔った静香さんが僕らを指差した。

拓哉君と静香さんは酒豪だ!
もうすでに2人とも缶ビールは7本は飲んでいるし、
その前にワインを4本空けている…
昼間もハンバーガーとビール3本ずつを飲んでいたし…
きっとスキーの途中も…
でもそれが悪いかといえばそうじゃない。
まあ~僕らも似たようなものかな??

福山君とアスカさんは相変わらず仲がいい…。
缶ビールも、半分ずつグラスに空けて飲んでいるし、
料理も、「あ~ん」とか言って、食べさせあっているし、
見ている僕らのほうが恥ずかしいくらいだ。

大森君達は半年前に知り合ったとはいえ、
もう、誰が見ても完璧なカップルだ!
新鮮さを失わない、微笑ましい雰囲気で、
見ているものに、嫌な気をさせないのがいいね!
個性的な彼に、ぴったりな、かわいい彼女は
このコテージに色を添えていた…。

拓哉と静香は何がおかしいのか
ゲラゲラ笑いながら、また「ぷしゅっ」と缶ビールを開けていた。
もう、10本目か・・・?!

2時間くらいパーティーをして、
とりあえず片付け…

福山君達は相変わらず早めに個室へ…。
卓也君達はイスにもたれたまま、グーグーグー。

僕達と、大森君達は一緒に近くのホテルにある
有名なショットバーに行く事にした。
大森君持参のお酒もいっぱいあるのだが、
ここのショットバーもぜひ行って見たい…という事になったのだ。
福山君や拓哉君達も誘ったのだが、
彼らは眠いという事だったので、
僕らだけで行く事になった・・・

星空の下をテクテクと歩く事5分。
ホテルのラウンジに着いた。

さすがにハイシーズンだけあって
ラウンジも賑わっていた。
僕達と大森君達は別々に座り、
思い思いの時間を過ごす事にした…。

大森君達はカウンターに座り、
難しいカクテルをオーダーしているようだった。
ドライマティーニを辛口に仕上げたものが好みのようだ…。
ななこちゃんは
カット・オレンジがついた、ジュースかな??

僕らはというと
思い出のダイキリとカルーアミルクをオーダーし、
スキー場を眺める事が出来る、
窓際のカウンターに席を取り、
2人の時間を楽しむことにした…

今日は彼女に特別な話をしたかったのだ。
そう特別な話を・・・。

実は彼女のお父様から、

「そろそろ、終わりにしてもらえないか…」
と、言われているのだ…。

終わりにしろって言われても、
そんなのはイヤだ!!
なんで、また、どうしてさ???
と聞きたかったが、
その場は何も言わず帰ってきたのだ…

その辺の話を彼女としたいのだが、
どこから言い出していいものか、
迷っていた時、

『何か言いたそうな感じだね!』と彼女が口を開いた…。

「いや、別に…うん、いや、実は…」

『なに?何でも言って…』

「うん…」

そこで彼女に、先日のお父様の話をした…

彼女は顔色を変えず、黙ったままだった。
僕も、また黙り込むしか術がなかった…。

『あなたはどう思ってるの?』

「えっ?あ、いや…」

『あなたは、どう思ってるのかって聞いてるのっ!』

「・・・一緒に、居たい。」

『本当に?』

「うん、本当に一緒がいいと思ってる。君じゃなきゃダメなんだもん…」

『それなら決まり!そんな私の父の話は無かった事にして!』

「・・・・ そう言うのなら、そうするよ。聞かなかったことにするよ。」

『後は私に任せて!』

もっと、ドロドロした話になると思っていたのだが
案外、さっぱりした感じの話だったなあ~。
まあ~良いかっ。
僕と彼女の間には、
壁もないし
何も迷わず思いのまま
まっすぐ行けるって言う事だし、
それが今、お互いに確認できたわけだから
他には何もいらないし…

なんだか、嬉しかった。

しかし、
今日の彼女はいつもと違って
しっかりしているなあ~。
スキーもあんなに上手いし、
お話もバシッとしてるし
ああああ~
今回の僕は
彼女にいい所を一つも見せられない~~~
でも、そんな事はどうでもいいのだ・・。
僕はこの、「僕の彼女だけ」には
そういった背伸びみたいな事は
したくないし、
自然体で居たいからね…。

カクテルを2杯飲み干したところに、
大森君が
「僕たちこれで引き上げますが…」
と言って来た。

僕らもすぐに後を追うことにしたが
もう少し、彼女と一緒に居たかったので、
ちょっと遠回りしてコテージに向かう事にした。

外にある、
ホテルの教会がクリスマスイルミネーションで輝いていた…
<愛の鐘>に紐がついていたので
2人で引っ張った。
静かな夜に、綺麗な音が響いた…
「カラ~ン・カラ~ン…♪」
想像より大きな音にちょっとビックリし、戸惑ったけれど
2人の擬似結婚式は、終了。
僕は優しくキスをした…。

外はすごく寒くて
体がガタガタするくらいの気温であったけれど
彼女と共に過す時間が
こんなに楽しくてあったかいと感じたことは
僕達2人の共通点だろうと思う…。
星空も輝いていた。
僕らを祝福するように…。

コテージに戻ると、
福山君や拓哉君達が外で花火をしていた。
冬の花火はまた綺麗なのだ・・。

「お~い!早く来い!お前達いつも遅いぞ~!」

僕と彼女は手を繋いだまま
みんなの元に走った…。

ドラゴンの花火が
僕らを呼んでいるようだった。

その時、彼女の手を絶対離したくなかった僕だった…

今、離したら2度とそのぬくもりを感じられないのではないかという不安が
僕の中で起きていたのだ…

PM11:00
またまた大森君のバーがOPENした。
今回は大森君手作りのバーカウンター付だ!

みんなでカクテルを数杯楽しみ、
お酒と雰囲気に酔って
いろいろおしゃべりを楽しんだ…
もう明日のことなんか、どうでもいいくらい
飲んで、盛り上がり、
笑い続けた…

「そういえばみんな知ってるか?」 と福山君…

「今日、初心者のゲレンデでリフトから降りれなかった奴がいたらしいぜ!」

『うっそ~だって、あそこって、子供でも降りれるくらい低いよ~』

「それが、そういう人がいたって、さっきリフト係りのおじさんが言ってたぜ!」

「それでさ、そいつがもう一度そこに戻ってきてさ
   降りた瞬間、周りで見ていた人たちが拍手したらしいぜ!」

『ある意味、凄い、エンターテイナーですなあ~(笑)』

「おいおい、まじかよ~あははははははは~~~」

この場でどうして良いのか解らない、僕でした…。(赤面)

突然

『そういう人だって居るのよ!決して恥ずかしい事じゃないわ!』

と僕の彼女が…

さらに

『みんな、笑う事ないじゃない…MAKOTO君だって頑張ってやったのに…!

(一同、目が ・ ・ ・ ・ 。)

<おいおい、言うなよ…誰も、この僕だってことは知らなかったのに…>

「飲っ飲め飲めっ!そういう奴が居てこそ、楽しい世の中だ!」と、拓哉君。

僕は下を向いたまま、チビチビぺろぺろカクテルを飲むのであった…

しかし、

彼女は自分が僕の名前を言った事に、気付いていない…。

夜は楽しく更けて行った…。

終わり

またまた「改造しちゃうぞお~~!」 ”Dr店長にまかせろ!”の巻 PART 2

「あちゃちゃ~・・・」 ←(三四六ふうに・・・)
ホームセンターなどの量販店で、「マウンテンバイクの形をしている安物」を購入してしまったあなた!
「オフロード走行禁止」っていうステッカーが貼ってあるような、2万以下で売ってるギヤチェンジ付きの自転車を買ってしまい、後悔している諸君に向って、今ここに、ご提案申し上げます。
捨てるにはもったいないけど・・・と言って、物置や軒下に置いてあるのが実態で、
「どうして良いのか解らないんだよお~~どうしよう~助けて~タカヤマ店長~!」と
聞こえてきそうだ。

それで、今回の改造は、
「いかにお金をかけずして、カッコいい自転車を作るか」と言う、
スーパーチャレンジなのだ!
(私が自ら かませ犬となる 第二弾の改造編です・・・。)

それでは ♪はじまり はじまり~・・・。

 

よくありがちな、安物マウンテンバイク・・・
最近は9800円でも売られているゴミクズみたいな自転車です。
今回はこれをベースに遊びましょう!

作るのは今、流行の
「シングルギヤMTB!」
知恵とやる気と時間さえあれば、
どうってことは無いのだ!(たぶん・・・)

とにかくチャレンジだ!
「がんばるぞ!」


準備した道具は、ほとんどご家庭にあるような道具です。
真ん中にある、「コッタレス抜き」と「スプロケット外し」工具以外は誰でも何とかなるでしょう~。

こういう特殊な工具を買うより、ここは自転車屋さんに持って行って外してもらうのが正解です!
「おじさん。外してくださいな!」(もちろん有料)

それで、ひたすら分解します。
バラせる所は全部、バラします。
変速機や錆びたワイヤーなどは
きちんと処理し、捨ててしまいましょう~。

外した部品です・・・↑
何が使えるの????

クランクとハンドルとステムとブレーキレバー
それからカンティブレーキ前後くらいかな・・?
まあ~何とかなるでしょう!
「がんばろう~~」


取り外して気がついたのだが、ツメ(エンド部)がラッキーな事に長いタイプの物が付いているではないか!
これでシングルギヤ自転車の難関である
「チェーンの調整」がラクちんに行えるぞ~!
本当にありがたいです。結果オーライですなあ~。

アチャ~錆びてますなあ~・・
でもグリスアップなんかしないよ!
お金が掛かるから・・・。
今回はサビだけ取ることにしよう・・。
ワイヤーブラシでひたすら擦る擦る擦る擦る擦る・・・・・・・。
最後はシルバーのスプレーで「シュ~」っと一吹き。
まあ~キレイ

ついでにクランクもギヤを一枚にして塗ってしまおう!

(紙やすり:200円
(銀色:スプレー 500円)

次はフレームだ!

剥離材なんて使わないっ!
お金が掛かるからね。
カッターナイフでステッカーを削り取って、目の粗いサンドペーパーで擦る擦る擦る擦る擦る擦る擦る擦る擦る擦る・・・・・・。(格闘30分)
塗料との段差が無くなれば、それで良いのだ!

ボトムブラケットも外さない。
(皆さんがやると面倒だからね。)
このまま塗っちゃえ!

水洗い&パーツクリーナーで細かい所も脱脂しましょう~。削った粉もすっきりピカピカ!

いよいよ塗装です!
Drタカヤマ定番の「つや消しブラック」

『シューシューシューシュー・・・・』
垂れたって構いません!ガンガン塗っちゃうのだ!
ボトムブラケットも一緒にシュ~です。

なかなか良い感じだ・・・。

(艶消しブラック:スプレー 500円

 

いよいよ組み立てだ!
今回はカラー物タイヤを付けてみました。
「タイガータイガーじれっタイガー!」

もちろんノーマルタイヤでも全く構いませんよ。
今回は、特別に使っちゃいました。

 

※ ポイントとなる後ろのギヤは、
「BMX用」のフリーギヤを使用。

MTBの多段ギヤのネジ山に
         そのままインスト~ル!
チェーンは一般車用のものを流用。(安いから。それだけ)
ハンドルステムも黒で塗って
ハンドルバーはシルバーで塗装しました。
後はブレーキを付けるだけだ!

(後ろギヤ  :1600円)
(チェーン   :1500円)
(ワイヤー前後:1980円)

 

完成!

いかがでしょうか?

適当なステッカーをペタペタ貼って
シングルギヤMTBの完成です!
回転部の細かい事は気にしなければ、
どうってことなく作れちゃうだ!

やってみたい人は言ってね!
ご協力いたしますよ。

さあ~次は君の番だ!
勇気とやる気でレッツ・チャレンジ!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は、前回の700cなんちゃってサーリーの第2号機「26インチMTB号」を作りました。
近くに寄って見ると、さすがにクオリティー度は 若干???ですが
インスタント作品として見れば、なかなかのモンですよ!
ぜひ挑戦してみてください。
自転車屋として言えば、本来ならば、回転部などはきちんとバラし、グリースアップなどする事は当然の事ですが
今回はあえて、そういうことは省きました・・・。

まず、形にしてみる・・・。
しかもお金をかけないで、アイデアだけで自転車を作るということ・・・
自転車を組み立てる時間も含み
オンボロ自転車でも、自ら手直しする事で、所有する喜びや
楽しい時間が過せたら最高だと思い、この企画をしています・・・。

自転車という乗り物は、あまりにも安物、危険な物が多く出回っているのに、
消費者の皆様はそれに全く気がつかない・・・。
もちろん、それを販売している大手のお店やそれを納入している業者ですら、
解っていても、外国から安く仕入れてしまい販売しています。・・・

自転車を見つめ、もう少し賢くなれば
今の粗悪品世界から脱出できるのではないでしょうか・・・。
その方法として、一番の近道が
今回の改造のような「自ら組み立てをしなおす・・・」という事だと思います。
見つめて、接する時間が増えれば
自然と、何が大切かが見えてくると思います・・・。

すばらしい、自転車のある生活を、応援いたします。

タカヤマサイクル   店長:高山 真

空想&妄想小説~妄想デート・スキー編(前編)~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

♪ゲレンデのカフェテラスで~滑るあなたにクギ付け~♪
♪恋人がサンタクロース、ほんとうはサンタクロース~♪

今日は12月23日 クリスマスイブイブだ!
夏にキャンプした仲間と一緒に、
今回はスキー場のコテージを借り、
スキー&クリスマスパーティーと洒落込むのだ~!(イェイ)

AM9:00
先週納車されたばかりの「スズキ・ジムニー1300」に
荷物を積み込み、いざ出発!!
「クックック…この車見たら、彼女ビックリするだろうな…」

僕のジムニーは、「ジュラシックパーク」仕様なのだ!
えっ?どんなやつかって??
あの恐竜映画に出てきたジープのカラーリングをそのままに
ホワイトとオレンジに塗り分けられて、
ドアには恐竜の絵が描いてあるのだ!
えっ!?
恥ずかしいって???
う~~~ん・・・
まあ~そうとも言えるけれど、
解る人には分かるはずなのだ!

街を走ると、
みんなの顔が微笑んでいた…
うん、さすがにクリスマスシーズンだね。良い事だ!うん。
しかし、
みんなはどうもこの車を見て笑っているようだ…
おお~!みんなジュラシックパークを知ってるのか???
笑われようが、
みんなの目に留まるのは
うれしい事だ!
僕は自慢げに、ジムニーのハンドルを握っていた。
交差点で止まると、
後ろの車の人が声をかけてきた…

「屋根に猫がのってますよ・・」

なんと、愛猫の「ガンダム」がスキーにつかまったまま
震えてるじゃないか~~~。
慌てて家に引き返した僕でした…。

指先確認で異物?が乗ってない事を確認し、
急いで彼女の家に車を走らせました。

「ご、ごめん…遅くなっちゃった。」

『ジープ借りてきたの??おもちゃ屋さんのお知り合いいるの?』

「おもちゃ・・・?(まあ~いい。彼女に話しても解らないだろう・・・)」

荷物を車に押し込んで、
それでは出発!!!。

「ねえ~ジュラシックパークって言う映画知らないの?」

『聞いたことはあるけれど、それが何?』

「この車さあ~その映画に出てきたジープにそっくりに塗ったんだよ・・」

『ごめん、全然わかんないや…あなたの車のドアに
ゴジラちゃんの絵があったのは不思議だけれど…それと関係あるの?』

「ゴジ・・ちゃん・・って、こ・これは恐竜なの!その映画にもここに恐竜が描いてあったのっ!」

『ふ~ん…てっきりウルトラマンに出てきた車かと思ったんだもん。
きっと、マニアックなおもちゃ屋さんか、動物病院さんが、
営業車をそういう風にしたと思ったんだもん。
あなたの友達だったら、そういう人居そうじゃん!!』

「・・・・・。」
(的中しているだけに、何もいえない僕でした・・・。)

もう車の話はやめよう…そうなんだよ、彼女はそんなに車に興味はないのだった…。

クリスマスミュージック♪をBGMに
山道を進んだ僕達は3時間ほどで、
無事到着!

拓哉君や福山君や大森君達、
みんなは、もうすでに集まっていた。

「こんにちは~~」

挨拶もそこそこ、
早速お部屋の飾りつけ…
拓哉君と福山君はクリスマスツリーの準備。
大森君は組み立て式のバーカウンターを車から降ろしセッティング・・・

彼女達は壁に飾りをつけたり、
テーブルのセッティングしたり…
僕はホテルにハンバーガーの買出しと夕食の予約手配を…
テラスの隅の雪の中に、バドワイザーをばらまき
これで準備終了!!
遅いハンバーガーのランチをとり
ゲレンデにレッツゴー!!

拓哉君や静香さん、
福山君やその彼女、名前はアスカさん、
大森君もななこさんも、
みんな、スキーは上手なのだ!!
いや、上手なんてモンじゃない…
このゲレンデで
あの6名以上の達人はいるのだろうか??
と思うくらい、うまいのだ!!
みんな活き活きとスキーを滑らせる…。

うう~このシーンはどこかで見たことが…
デジャブーってやつか???
いや、違う…
あの有名な映画「私をスキーにつれてって」みたいだ~~~!

彼らがリフトから僕に手を振る…

初心者用ゲレンデにて
まずは止まる事を練習している僕は
スキー初体験。
イメージはあるのだが、
勝手は違うようだ…
ちなみに、講師は僕の彼女。
情けないったらありゃしない…

彼女のお兄さんはスキーのオリンピック養成選手だったのだ!
その兄きと一緒にず~っと練習していたぼくの彼女は
あの6名よりスキーが上手いはずなのだ!
こんな青空で深雪が多いスキー場に来て
僕のような超初心者を相手に
インストラクターしているってことが、
申し訳なく思うのだ…。

カニさん歩きで20メートルのぼり
へっぴり腰で滑る・・・
そんなことを1時間ほどやっただけで、
汗びっしょり…。(情けない)
でも、まだ講習は続いた…

「休憩しましょう!」

『ほっ…やっと……ふう~。』

売店で生絞りジュースを一つ買い、
突き刺したスキーにストックを横に渡したものをイスにして、
広いゲレンデを見ながらの休息タイム…

『気持ちいいね~!』
と彼女が背伸びをしながら言った…。
しかし、
きっと彼女は不満だろうな、
ほんとうだったら、あの一番高い所から
バビュ~ンって滑ってくるはずなんだろうに、
僕と一緒だから、出来ないで居るんだよな…

『私、スキー場でこうしてゆっくり座って、お飲み物をいただくなんてしたこと無いんだ…
なんだか、嬉しいな~~~!
今まで、いつも兄と一緒だったから、滑ること以外は考えられなかったなあ~
今日は誘ってくれてありがとう!』

さすがは僕の彼女だ!良い言葉を知っている。うん。
嬉しさのあまり、ちょっと感動!

『さあ~休憩終わり!次はリフトに乗るわよ!』

リフトに乗るっていったって、
乗り方を知らない僕にとって、かなりの難題である…

『大丈夫!勇気を持ってエイヤって…OK!?』

「おっ・・OK!」
そう、彼女に問われ、そう言ってしまった僕だが、
勢いだけで何とかなるのだろうか????

僕の前に保育園くらいの子供がリフトに乗った…
良く見て、真似をしようと思ったのだが、
一瞬の出来事に、どう乗ったのか…
見えなかった。

『私達の番よ!行くわよ!!っせ~のっ!』
ひざにイスが当たり、
「おお~~」と思っているうちに、
何とか乗れたみたいだ…

足にスキー板の重さを感じ、
ドンドン高くなるリフト…
何処につかまって良いのか解らず
彼女の腕をつかむ僕…(う~情け無い×2)

この斜面を降りれるのか??
まあ~何とかなるだろう…
僕には大先生がついているのだ!
落ち着け!良し。うん。
そう思った矢先、
もう降りる場所に着いた…

「スキーの先を上げてください」
と書かれた看板があるが
一体どういうことだ??

彼女の指示により
その意味を理解し
降りる瞬間が来た…
彼女がす~っと降りたのを見た僕は…

!#####~~~??!!###%$&#”!!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

僕はず~っと下を向いたまま赤面していた…。

「あはっはっははは・・・」
という笑い声が聞こえていた。
もう火が出るくらい恥ずかしかった…

実はリフトから降りれなかったのだ…。

気がついたら、彼女だけが降りて…
そのまま、す~っ と彼女は滑って行って…
こっちを見たのを確認した瞬間
僕はクルンと下に向かって・・・

下のリフト乗り場では

「ハイ、足元に気をつけて、そのまま座っていてくださ~い」
と、メガホンを持った係りの人が僕一人に声をかけていた…。
大勢の人が見ている中、
僕は必死に支柱につかまり、
また180度反転し、
そのままリフトで登り始めた僕でした…。

笑い声がいつまでも聞こえるようでした…。

僕が上の降りる所につくと…
(というか、一般的にスキーヤーが降りる場所なんだけれど…)
彼女と、係りの方々3名が居た・・。
そのほかにもギャラリーが?集まっていた。

『タイミングを言いますから、
  上手く降りてくださ~い』
と、メガホンで大きな声で言っていた…
『1-2-3、今だっ!』
僕は、全神経を集中し、その瞬間にすべてをかけた…

何とかお尻がイスからはなれ、
雪面にスキー板がついたとき…

『おおお~~
 パチパチパチ・・・』

たかがリフトに乗り、降りるという行為なのに、

初心者用ゲレンデが、熱く燃えた一瞬だった…。

(超はずかしい~~~~)

彼女からこっぴどく、しかられ、
険悪な雰囲気の中
厳しいスキースクールがはじまった…。

「ああ~…」
『ああ~じゃない!』

「うわあ~…」
『うわあ~じゃない!こうでしょ!しっかり良く見て!』

そんな事を繰り返すこと数十回…
リフトに乗ること7回…
怒られること数百回…。

もう~ヘトヘト。

時計の針は
4:50
ナイター照明がついていた…。

ちょうどそこに福山君達がやってきて、
「サンセット、一本行くか?」
と彼女を誘いにやって来た。

『う~んどうしようかな??』

「どうぞどうぞ、行って来て下さい。」

しかし、サンセットとはお洒落な言い方だね、福山君は…。
「この夕暮れを滑ろう」と言えば良いのにさ、
まあ~どっちにしろ、
カッコイイ奴は、やっぱりカッコが付くもんだ!

彼女達が戻ってくる間、
僕は一人、疲れた足を休めるのであった…

(後編へと続く)