レストア

今回は、かなり旧い自転車の修理です。

単なるオーバーホールでは無く、これはもう、”レストア”の域です・・・。

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(オーバーホールもレストアも基本は一緒。とにかくバラす事から始めます。)

 

・・・この自転車って、約40年前に作られた事になるんだよな~。

40年という歳月・・・どんな景色と、どんな物語があったのだろうか。

ご主人様と、共に過ごしてきた”相棒”なわけだね。(竹馬の友かな?)

そっかー。良い関係じゃん。・・・羨ましいぜ!

だったら、

オレに出来る事は(店長のやる事は)、完璧に作り上げるだけだ。

そして二人の想いを、しっかり繋げてあげましょう~♪

という事で、

( バラして、切って、削って、洗浄して・・・店長は全力で戦うのだった・・。)

 

「きちんと直してくれよ!俺はこれから、もっと相棒と走りたいんだからさっ!」

作業中、ずっとこんなメッセージが、自転車から伝わって来たのでした・・・。

 

「任せておけって!Don’t worry. 心配するなよ!」by店長

 

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とは言うものの、簡単には進まないのが、”レストア”という仕事。

・ピラーは固着し、動かない、取れない・・・。

・ネジ山・・・ダメ。錆びたネジが途中で折れ、棒頭内部に残り、頭を抱える・・・。

・サビ、多し・・・アチャチャ。擦って擦ってモンモンモン・・・・。

・ホイールのニップル・・・回りません。どーしましょう・・・?

そんな事で、必殺技とアイデアを捻り出し、惜しみなく投入~!!

「うおりゃあ~~~!」 (ただ叫ぶ・・・(-_-;))

 

フレームの歪みや、狂いを修正し、ベアリング類も全て取り替え・・・。

メカに使われている「スプリング」は加工し修復・・・。

分解、洗浄、調整に、かなりの時間と気持ちを注入してしまう店長でした。

(いつもの事だろっ!)

※(途中写真、全く無いです。ごめんなさい)

 

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この自転車は、昔のマニアックな部品が「どどどどど~~~~」と付いていて、

好きな人が見たら「よだれが出ちゃう」かな。

 

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 そんなこんなで、約2週間かけて、やっと完成~!(^。^)y-

完璧にリフレッシュ出来ました。

旧くたって、まだまだ使えます!ガンガン乗って良い景色を見て下さいね。

そして、もっともっと濃い思い出を、沢山作って下さい。

 

さてさて、

”レストア”という作業は、お客様の希望と、予算に合わせて行うものである。

「何をもって、”完璧”とするのか?」を判断するのかは、依頼主との話し合いで決まる。

予算があれば(高額であれば)、より新車時に近づくだろうし、

誰が見ても「うわあ~きれいだなあ~」というものに、変身させる事が出来る。

ただ、限られた予算の中で、出来る事をするのが、”タカヤマサイクルの仕事”である。

 

「2週間もかけて作業した割には、見た目が美しくない・・・」と思うかもしれないが、

ユーザー様の依頼は部品交換では無いので、そのまま使うしかないのである。

というか、「そのままに見える」かもしれないが、

レストア後の性能は、爆発的に良くなっているのだ・・・。

耐久性も、使用感もまったく問題無い。いや、新品時以上だと自負している。

ユーザーが乗れば、数メートル走行しただけで、違いが解るはず!

 

”きれいにする事 = 再塗装や新品パーツに交換する事” が、

もっとも簡単で効率的にも良いし、

今時のパーツに対応した”アップデート”やカスタムこそが、賢いやり方であると思う。

しかし、お客様の望んでいる事は、リフレッシュする事である。

キズも、凹みも、今まで使って(乗って)来た証であり、思い出でもある。

それを無駄に、交換する必要は無いのだ。

・・・こんな事を言うと、

ただの「美しい話」や、「感動的な作り話」に聞こえてしまうかもしれないが、

”旧い自転車の修理”には、必ずこれが付きものである。

「買い替えたいんじゃないっ。直したいんだっ!」

この気持ち、私は大切にしたいと考えてます。

 

タカヤマサイクル得意の、”オーバーホール”や”複雑な修理・改造”

分解、洗浄・・・穴を開けて、切って繋いで・・・

実に効率の悪い 仕事である事は解っているが、

望まれているならば、それに応えたいと思っています。

 

 

思い出のある自転車の修理”って、正直なところ、見積もりが難しいです・・・。

「こんなもんかな?この程度かな?」で、納得していただき、作業を始めてみたけど、

結果的には、それ以上の内容になってしまう事ばかりです。

これは「見積もりが下手」という単純な理由ですが、

私が「やります。出来ます。」と言った以上、その責任は大きいのです。

だから、見積もり内の金額で仕上げる事が必要になります。

こんなやり方では、商売上、まったく割に合いません。ただの損です。

でも、中途半端で終わりにして、

「金額内でやめました。はい、どうぞ、持って帰って下さい。」なんて事は、

私は出来ないし、許せないし、やりたくない”仕事”です。

 

タカヤマサイクルは、イケている店ではありませんし、ナウい感じもありません。

(ナウい!? どれだけ旧いんでしょう・・・(-_-;)

上辺面(うわっつら)の、きれいな活字の情報や、過剰な宣伝文句には、

素直になれない、頑固な店(個人)だと思います。 (ここがダメなんだ。)

 

ただ、

「望まれたら、応えたい・・・。」

それだけがエネルギーですし、

それが喜びで、一生懸命、仕事をさせていただいております。

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お困りの事がございましたら、ご相談下さいませ。

 

”愛の自転車伝道師” タカヤマサイクル店長:高山真