新生、カンパニョーロ

イタリアの自転車老舗部品メーカー”カンパニョーロ”

今まで、新型になる度、 「ほ~」という印象であった。

しかし、今回は 「ほっほ~おおおおおおっ!」という感じに変身した。

ひとことで言えば、

「操作感とドライブトレインのパフォーマンスが向上した」という事です。

左はレコード。右はコーラス。 戻りレバーの形状が違います。(どちらも新型)

カンパを使った事がある人は、解るだろうが、

下ハンドルを握っている時、ギヤチェンジがやり難いと感じた人も多いはず。

新型コーラスは、EPS(電動ギヤチェンジ)同様、

親指が掛かり易いように形状と位置が、変更されている。

カンパニョーロのセカンドグレードではあるが、これで

「コーラスを、あえて選ぶ理由」がはっきりした。これは大きなポイントだ。

スーパーレコード&レコードは、昨年と同じレバー位置ではあるが、

ストロークの変更(内部の機構も大きく変更)から、同じ位置に設定されている。

また、カンパニョーロ・エルゴレバーを使う時、

ハンドルの種類によっては「使い難いセッティング」になる場合も多々あった。

しかし、今回のモデルチェンジで、ドロップアーチの角度(寸法)が見直され、

浅いハンドルバーにも対応し、比較的小さな手の方にもフィットするようになった。

さらに凄いのは、左レバーのクリック。

今までは、6回のクリック(♪カチカチ~というギヤ合わせ)で、操作していたが、

なんと3回のクリックで操作が出来るのだ。

ちょっと詳しく説明すると、

カンパニョーロは”ライダー自身で微調整が出来る”チューニング機構を持っていた。

その細かい操作で、チェーンをベストな位置に出来るのだが、

実は、操作が少し難しいのだ。(ギヤ2枚に対して6個も決め位置があるんだもの)

また、アウターからインナーへ、一気変速をするとチェーンが内側に落ちる事がある。

上手い人は、そんな失敗は無いだろうし、その特性を知っていれば(慣れれば)

まず、落とす事は無いと思う。

言い換えれば、これを使いこなしてこそ”カンパユーザー”という

ある意味「誇れるテクニック」を持つ事で、所有力を高めている人もいるが、

そうは言っても、やっぱり時々失敗しちゃうんだよね~。

それが、この度のモデルチェンジにより

「行き過ぎない位置で、止まってくれる」という機構になったのだ。

3クリックで操作できるので(3クリックしか操作できないから)

実に解り易く、使い易く、気持ちもスッキリした。(※大歓迎!)

適切なストローク量、適切な軽さ(操作時)が見事にチューニングされたレバーという訳だ。

Rディレーラーの形状が変わった・・・。

何が、どう変わったのか? この写真では解らないかもしれないが

ガイドプーリーの位置が、よりギヤに近づき、変速スピードが速くなったという事だ。

自転車に取り付けた状態で語るなら、

上のギヤ(ガイドプーリー)が前方に移動したという事。

実際に乗った(操作した)訳ではないので、その変速スピードがどのくらい速いのかは、

不明だが、理屈は良く理解出来る。「ナルホドなぁ~」と頷くほど納得してしまった。

ただ、ホイールの外し方がちょっと大変になるかもしれないが、これは慣れで解決するだろう。

取り付け部に注目~!

シマノさんのような取り付け部構造になってますね。(Bテンションボルトが付きました)

昨今、沢山のフレームが出回り、適正な取り付けが出来ない寸法の物がある。

それが、良いか悪いか?と言えば、やはり悪いのだろうが、

「パーツメーカーから発信する細かい基準値なんかに合わせていられるか!」という、

自身を貫くフレームメーカーもあるらしい・・・。

それでは、高価で高性能なカンパニョーロでも、100%の性能が出ないから、

「カンパってダメじゃん!?」とユーザーは思ってしまう訳だ・・・。

王者カンパニョーロと言えども、この状況と現実から、

”周囲に合わせる=調整幅を持たせる事”に、目を向けて来たのだ。

固いイメージのカンパニョーロが、より優しいメーカーになって来ましたね~。

クランクは、4アームスパイダーデザイン に変身した。

いつまで5アームにこだわるかな~?と思っていましたけど、

やはり、”効率”を考えれば、4アームになるのでしょう。

カンパニョーロファンの方々には、好みは分かれるだろうが、

シマノで見慣れている私としては、さほど違和感なく受け入れられてしまいます。

いや、むしろ、大歓迎ですっ!

旧い物の良さは、デザインの美しさであったり、機能美であったり、

その時代の最先端で生まれて、使われたからこそ感じる「思い入れ」であったりする。

大事にしたいし、気持ちを高ぶらせてくれる”良きモノ”である。

老舗ブランドが何かを変化させる時や、進化して行く過程では、

様々なことを言われ、叩かれ、指される事が多い。そして形成されるのだ。

私は、カンパニョーロの変化を支持したい。

 

カンパニョーロの姿勢が大きく変わる2015年。

冒頭にも述べたが、

例年のモデルチェンジとは比較にならないほど、感動的でドラマチックだ。

新たな、カンパニョーロファンが生まれるのではないだろうか・・・。

もしも、自転車を2台所有出来るのでならば、

一台は、シマノ

一台は、カンパニョーロ

乗り分けて、お互いの良さを味わいたいものである。

友人を招き

ガレージに佇むお気に入りの2台を眺めて、自転車談義をしたいものだ・・・。